ちゃんとしてる顔に疲れた夜、私は“自分を甘やかす秘密”を検索していた

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スマホを見る女性
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雨が降るほどじゃないけど、空気がずっと湿っている夜だった。

仕事帰り、駅前のコンビニでサラダチキンと小さい缶チューハイを買って、エコバッグを肩にかけ直した瞬間、自分でも笑ってしまうくらい疲れていた。
ヒールを脱ぎたくて、でも家まであと7分くらいだから我慢して歩く。こういう“あと少し”の積み重ねで、人って地味に削られていくんだなと思う。

部屋に入ると、昼に干した洗濯物がまだ少し湿っていて、柔軟剤の匂いと生乾きの匂いが混ざっていた。

なんか今日の私は、少しだけ変だった。

別に嫌なことがあったわけじゃない。
お客さんに怒られたわけでもないし、婚活アプリで傷つくメッセージが来たわけでもない。

でも、鏡を見るたびに「疲れてる顔してるな」と思ってしまって、コンタクトを外したあとにぼんやりスマホを見ながら、気づいたら“女性向けアダルトグッズ通販”のページを開いていた。

昔の私なら、ちょっと抵抗があったと思う。

なんとなく“そういうもの”って、人に言えない感じがしていたし、ちゃんとしてる女の人は、そういうものに頼らない気がしていたから。

でも最近、「ちゃんとしてる」って、誰の基準なんだろうって思う。

目次

誰にも見せない夜の、自分の機嫌の取り方

Instagramでは、丁寧な暮らしをしてる人が流れてくる。

白い部屋。
ツヤツヤの肌。
彼氏とのカフェ動画。
朝5時起きルーティン。

見れば見るほど、「私は何も整ってないな」って気持ちになるのに、やめられない。

お風呂に入る前、ベッドに寝転がってスマホを顔の上に落としそうになりながら、なんとなく見つけたのが「ぴゅあらばショップ」だった。

大人のおもちゃとか、アダルトグッズって聞くと、ちょっと派手で、強めで、“性に積極的な人のもの”みたいなイメージを勝手に持っていたけど、サイトを見ていたら思っていたよりずっと静かだった。

色味もやわらかいし、「自分を整える」みたいな空気感があって、なんだか少し安心した。

誰かのためじゃなく、自分のために何かを選ぶ感じ。

それが、ちょっと新鮮だった。

「寂しいから」じゃなくて、「疲れてたから」

たぶん昔の私は、“こういうものを買う女性”に偏見があった。

寂しい人。
満たされてない人。
恋愛がうまくいってない人。

でも今日の私は、違う気持ちで見ていた。

ただ、「ずっと誰かの期待に合わせて疲れてたんだな」って思った。

仕事では愛想よくして、
婚活では感じよく返信して、
友達には“大丈夫そうな人”でいて。

そのくせ家に帰ると、メイクも落とさずスマホを見ながら寝落ちして、朝になって自己嫌悪する。

なんかずっと、“ちゃんとしてる風”を演じてる感覚があった。

ぴゅあらばショップの商品ページを見ていたら、「女性スタッフ監修」とか「初心者向け」とか書いてあって、変に煽ってこない感じが逆に印象に残った。

こういうのって、“刺激”より“安心感”が欲しいんだなって初めて気づいた。

別に大したことじゃないのに。

でも、こういう小さい感覚って、たぶん今の自分をかなり正直に映してる。

「誰かに愛されたい」と「自分を雑に扱いたくない」は、少し似てる

最近ずっと、「選ばれない理由」を考えてしまう夜が多かった。

もっと愛嬌があればよかったのかな、とか。
もっと若く見えたら違うのかな、とか。

婚活アプリを閉じたあとって、静かに自己肯定感が削れてる。

誰にも振られてないのに、なぜか勝手に落ち込む。

だから今日、ぴゅあらばショップをぼんやり見ながら、「自分を気持ちよくさせること」に罪悪感を持たなくていいのかもしれない、と思った。

性的な意味だけじゃなくて。

温かい飲み物をちゃんと淹れるとか、
高いパックを使うとか、
疲れた日にUberを頼むとか。

“自分を雑に扱わない”って、案外むずかしい。

特に、真面目な人ほど。

ちゃんとしてる人ほど、誰かを優先して、自分のことを後回しにするから。

だから、自分のために何かを選ぶ行為って、少し怖い。

「こんなの必要?」って、自分で自分に言ってしまう。

でも今日の私は、商品をカートに入れる直前で画面を閉じながら、「ああ、私、ちょっと癒されたかったんだな」って思った。

たぶん欲しかったのは、モノそのものじゃなくて、“自分を否定しない時間”だった。

窓の外では、どこかの部屋のテレビの音が小さく漏れていて、冷蔵庫のモーター音だけがやけに響いていた。

こういう夜って、ある。

誰にも言わないけど、ちゃんとしてる顔の裏で、静かに疲れてる夜。

それでも明日また、ちゃんとメイクして仕事に行くんだと思う。

だけど今日みたいに、自分の本音を少しだけ認められる夜があると、「このままでいいのかな」っていう焦りが、ほんの少しだけ静かになる。

読んでるあなたにも、そんな夜、ありませんか。

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