makeshopで個人のネットショップを始める前に|月額料金より先に考えたかった小さなお店の届け方

当ページのリンクには広告が含まれています。
ネットショップ開店
  • URLをコピーしました!

目次

月額13,750円は、ネットショップ代ではなく「私のままで商売をする覚悟」に払うお金でした

ネットショップ開店

七夕が終わったばかりの七月八日。

暦の上では小暑を迎え、窓を開けても、涼しい風より先に少し湿った夏の空気が部屋へ入ってきます。

冷蔵庫で冷やした麦茶をグラスに注ぎ、私はノートパソコンの前で、ある数字をずっと見つめていました。

月額13,750円。

一瞬、「高い」と思いました。

私の年収は300万円です。

13,750円は、気軽に消えていい金額ではありません。

美容院でトリートメントを追加するか迷い、婚活用のワンピースもセールまで待ち、スーパーでは桃を手に取ってから値札を見て静かに戻す。

そんな暮らしをしている私にとって、毎月13,750円は、ただのシステム利用料ではありませんでした。

それは、自分の小さな夢に家賃を払うような金額でした。

私はこれまで、飲食と美容の接客現場で十年ほど働いてきました。

誰かの商品を丁寧に説明し、誰かのお店の売上を気にし、誰かが決めた制服を着て笑ってきました。

お客様から「あなたに選んでもらってよかった」と言われた日は、素直に嬉しかったです。

でも、閉店後に鏡へ映る自分を見ながら、何度も思いました。

私は、誰かの店ではこんなに一生懸命になれるのに、自分の人生の店長には、いつなれるのだろう。

そんな私の目に入ったのが、ECサイト構築サービス「makeshop byGMO」でした。

公式情報では、月額13,750円(税込)で、本格的なEC運用に必要な機能を備え、BtoB、モール、オークション、レンタルなど、幅広い販売形態にも対応すると案内されています。

また、GMOインターネットグループは、makeshopを年間流通額で業界No.1のECサイト構築SaaSとして紹介しています。

けれど、機能の多さや実績だけでは、私は申し込みボタンを押せませんでした。

怖かったのは、お金を払うことではありません。

自分の名前で店を持ったあと、誰にも必要とされなかったらどうしよう、ということでした。

「いつかやりたい」は、傷つかないために用意した優しい逃げ道でした

30代になると、「いつか」という言葉の使い方が上手になります。

いつか結婚したい。

いつか好きな仕事で暮らしたい。

いつか自分のブランドを作りたい。

いつか会社に頼らなくても生きられるようになりたい。

二十代の頃の「いつか」には、まだ未来の匂いがありました。

でも、30代の「いつか」は、ときどき防寒着のようになります。

着ていると安心するけれど、重たくて動けません。

私はブログを書きながら、何度も「自分のお店を持てたら素敵だな」と考えてきました。

敏感肌でも使いやすいもの。

仕事帰りの女性が少し息を抜けるもの。

婚活で自信をなくした夜に、「今日はこれでいい」と思えるもの。

商品を並べるだけではなく、そこに自分の言葉を添えたかったのです。

けれど、無料で始められる方法を調べては画面を閉じ、SNSで人気ショップを見ては落ち込み、ロゴの色だけ三時間悩んで、結局何も始めませんでした。

準備しているつもりでした。

本当は、失敗した人になりたくなかっただけです。

店を持たなければ、売れない店の店主にはなりません。

商品を出さなければ、「あなたの感性にはお金を払えない」と言われることもありません。

夢を夢のまま保存しておけば、誰にも採点されずに済みます。

それは、とても安全です。

でも、安全な場所で温め続けた夢は、腐らない代わりに、育ちもしません。

makeshopの月額13,750円を見たとき、私はサービスの価格より先に、自分の逃げ道の値段を見せられた気がしました。

無料なら、忙しいからと放置できます。

思いつきだったことにもできます。

けれど、毎月お金を払うなら、「今月も何もしなかった」と自分で自分に言い訳しにくくなります。

もちろん、高い料金を払えば成功するわけではありません。

多機能なサービスを契約しても、商品写真が暗ければ魅力は伝わりにくいです。

説明文に心がなければ、画面の向こうの人は振り向いてくれません。

公式マニュアルにも、商品管理、注文管理、会員管理、ショップデザイン、分析・販促管理など、多くの運営業務が並んでいます。

店を開けば終わりではなく、そこから毎日の仕事が始まることが分かります。

それでも私は、この金額を「損をするかもしれないお金」とだけ考えるのをやめました。

これは、夢に締切をつけるためのお金なのかもしれない。

そう思った瞬間、少しだけ背筋が伸びました。

売りたい商品より先に、「誰のどんな夜を救いたいか」を決めました

ネットショップを始めると聞くと、まず商品を決めるものだと思っていました。

何が売れるのか。

利益率はどれくらいか。

競合は多いか。

仕入れ先はあるか。

映える写真が撮れるか。

どれも大事です。

でも、数字ばかりを追っていると、私は急に自分が誰なのか分からなくなりました。

売れ筋を調べるほど、私でなくてもいい店が出来上がっていくのです。

韓国コスメ。

オーガニック雑貨。

アクセサリー。

冷え対策グッズ。

婚活向けのきれいめ小物。

候補はたくさんありました。

けれど、どれを並べても、胸の奥が動きませんでした。

ある夜、婚活アプリで知り合った人とのやり取りが突然終わりました。

喧嘩をしたわけでもありません。

失礼なことを言われたわけでもありません。

ただ、昨日まで届いていた返信が来なくなっただけです。

たったそれだけなのに、私は洗面所の鏡で自分の顔を見ながら、「また選ばれなかった」と思いました。

肌の調子まで悪く見えました。

去年買ったパジャマまで、急にみじめに感じました。

スマホを伏せても、通知が来ないことだけが部屋中に響いているようでした。

そのとき、やっと分かりました。

私が売りたいのは、きれいになるための商品ではありません。

「選ばれなかった夜にも、自分を雑に扱わないためのもの」を届けたいのです。

たとえば、肌が荒れている日に無理をさせないスキンケア。

ひとりで食べる夜でも、気持ちがほどけるカップ。

予定のない休日に着ても、自分を置き去りにしない部屋着。

誰かに見せるためではなく、自分が自分へ戻るための小さな道具です。

ここまで考えて、ようやくECサイトを持つ意味が見えてきました。

商品ページは、値段と成分を書く場所ではありません。

「これは、どんな夜のあなたに届けたいものなのか」を書く場所です。

接客業をしていた頃、私は商品そのものより、お客様の表情を見ていました。

「乾燥が気になります」と言う人の中には、肌だけでなく、仕事や育児で疲れている人もいました。

「何かおすすめはありますか」と聞く人の中には、商品ではなく、自分を立て直すきっかけを探している人もいました。

ネットショップでは、目の前にお客様がいません。

だからこそ、文章が接客になります。

写真が店内の空気になります。

梱包が、最後のお見送りになります。

makeshopには、商品・注文・会員の管理やショップデザイン、販促、外部サービスとの連携など、本格的な運営を支える仕組みがあります。

APIを使えば、注文情報や顧客情報を外部システムと連携する拡張も可能とされています。

でも、仕組みが整っているからこそ、店主のごまかしは目立ちます。

誰に売りたいのか分からない。

なぜ自分が売るのかも分からない。

でも売上だけは欲しい。

そんな気持ちは、たぶん画面越しにも伝わります。

私はノートの最初のページに、商品名ではなく、こう書きました。

「誰にも必要とされていない気がする夜に、開きたくなる店」

それが、私の店の最初の設計図になりました。

最初に売れたのは商品ではなく、私がずっと隠していた“失敗”でした

店を作り始めてから、私は何度も自信をなくしました。

トップページの写真が決まりません。

文章を書けば長くなります。

短くすると、どこかで見た広告のようになります。

送料を考えると価格が上がり、価格を下げると利益が残りません。

無料で始められるサービスもある中で、月額13,750円を払い続ける意味を、夜中の二時に何度も計算しました。

今月、一個も売れなかったらどうしよう。

この不安は、店を持つ前より具体的でした。

以前は「いつか失敗するかもしれない」だったものが、「来月のカード明細に13,750円が載る」という形になったからです。

私は、きれいな成功談を書こうとしました。

飲食と美容の経験を生かして選び抜きました。

忙しい女性の毎日に寄り添います。

自分らしい暮らしを応援します。

どれも嘘ではありません。

でも、読んでいて自分の心が動きませんでした。

私は、そんなに立派ではありません。

婚活で返信が来ないだけで、一日落ち込みます。

収入に余裕がないのに、疲れた日はコンビニで予定外のスイーツを買います。

肌が荒れると、人に会いたくなくなります。

ブログのアクセスが少ない日は、才能がないのだと思います。

それでも翌朝になると、何事もなかったようにメイクをして働いてきました。

本当に届けたかったのは、整った私ではありません。

何度も崩れたのに、完全には諦めなかった私でした。

そこで私は、ショップ公開前のテスト商品として、ひとつだけ奇妙なページを作りました。

商品名は、「選ばれなかった夜の手紙」。

物ではありません。

私が婚活、仕事、肌荒れ、人間関係で落ち込んだ夜に、誰にも見せずスマホのメモへ書いてきた言葉を、一通の小さなデジタルレターにまとめたものでした。

価格は300円。

売れるとは思っていませんでした。

むしろ、商品一覧が空っぽに見えないように置いただけでした。

友人にも知らせず、SNSで大きく宣伝することもしませんでした。

公開した翌朝、注文通知が一件届きました。

私は画面を二度見しました。

購入者の名前を見て、さらに驚きました。

母ではありません。

友人でもありません。

ブログの常連読者でもありませんでした。

十年前、私が飲食店で働き始めた頃、毎週ひとりでランチに来ていた女性でした。

当時の私は新人で、注文を間違えたことがあります。

彼女は怒らず、

「大丈夫。私も今日は、うまくいかない日だから」

と笑ってくれました。

その言葉に救われたのに、私はお礼も言えないまま、店を辞めていました。

注文時の備考欄には、こう書かれていました。

「あなたがあの店にいた頃、私は離婚したばかりでした。いつも静かに接客してくれたことを覚えています。今度は、あなたの言葉を買わせてください」

私は、しばらく動けませんでした。

売れたのは、私が仕入れた商品ではありませんでした。

きれいに整えたブランドでもありませんでした。

私が長いあいだ、価値がないと思って隠していた失敗や寂しさでした。

その瞬間、月額13,750円の意味が変わりました。

ECサイトは、物を並べる棚だけではありません。

自分が生きてきた時間に、値段ではなく「届け先」を与える場所にもなるのです。

もちろん、300円の商品が一つ売れただけでは、月額料金にも届きません。

経営として見れば赤字です。

拍手されるような成功談でもありません。

でも、その一件がなければ、私はずっと勘違いしていたと思います。

商売とは、完璧な人が、足りない人へ何かを与えることではありません。

自分の足りなさを知っている人が、同じ夜を歩いている誰かへ、小さな灯りを手渡すことです。

makeshopの豊富な機能も、業界No.1とされる流通実績も、私に代わって商品を売ってくれるわけではありません。

けれど、本気で店を育てたい人が、注文や顧客、デザイン、販促を一つずつ積み上げていくための土台にはなります。

月額13,750円を高いと思う感覚は、今も変わりません。

むしろ、高いと思える自分でいたいです。

お金を払っている事実を忘れず、誰のための店なのかを毎月問い直したいからです。

始める前は、売れるものを持っている人だけが店を開けるのだと思っていました。

でも、違いました。

店を開いたから、自分の中に、誰かへ渡せるものが残っていたと気づけたのです。

七月の夜。

エアコンの音だけがする部屋で、私は二件目の商品ページを書いています。

次に並べるのは、スキンケアでも、アクセサリーでもありません。

「もう若くないから」と諦めかけた日に、自分へ戻るための文章です。

たぶん、またすぐには売れません。

それでも私は、ページを閉じません。

誰にも見せていなかった思考が、誰かの深夜に届くかもしれないからです。

そして、店の最初のお客様になってくれたあの人へ、十年越しにこう返したいのです。

大丈夫です。

私も今日は、うまくいかない日でした。

それでも、店を開けました。

【参考サイト】

・makeshop byGMO公式サイト
・makeshop apps developers「makeshopとは」
・GMOインターネットグループ「ネットショップ支援(ECプラットフォーム)」
・makeshop byGMOオンラインマニュアル

ネットショップ開店

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次