育休後に職場復帰せず退職を選んだ友人の話
私の友人が育児休業が終わった後、職場に戻らず退職することを決めたのですが、それは何度も悩んで涙を流した末の決断であり、簡単に決められることではありませんでした。
その決断に至るまでには、深夜に子どもの世話をしながら一人で考え込んだり、職場復帰後の生活をイメージしては不安になったりと、本当にたくさんの葛藤があったそうです。
特に、職場での評価や同僚たちの反応を想像するたびに、心が重くなり、何度も自問自答を繰り返したと言っていました。
子どもが初めて笑った瞬間や、寝かしつけに苦労した夜を思い出すたびに、復職への迷いと母としての気持ちが交錯したそうです。
特に周囲の視線や反応が気になり、なかなか自分の本当の気持ちを優先するのは難しいこともあったと話しています。
今回は、その友人が「育休後に職場復帰せず退職」を選んだ理由や、その決断に至るまでの心の葛藤について書きたいと思います。
そして、同じような状況で悩んでいる方々に少しでも参考になるように、彼女の経験をシェアしたいです。
育休後に職場復帰しないという選択
友人は育児休業に入った時、「絶対に職場復帰する！」と心に決めていたそうです。
でも、育児休業中に子どもと過ごす日々の中で、自分の考えや価値観が大きく変わったと言っていました。
初めて子どもが「ママ」と呼んでくれた日の感動は、今でも忘れられないと話してくれました。
その瞬間、こんな大切な時期をもっとそばで見守りたいと思うようになったそうです。
子どもの成長を一番そばで見守りたいという気持ちが日に日に強くなり、気がついたら「職場に戻るよりも、今は子どもと一緒にいたい」という選択が自然に浮かび上がってきたと言います。
正直、最初は職場復帰が当たり前だと思っていたそうですし、実際、周囲もそう期待していたはずです。
ですが、育児は思っていた以上にハードで、友人自身の体調も万全ではありませんでした。
夜中の授乳で何度も起きて寝不足が続くこともあったそうです。
子どもの体調が悪くなるたびに、何度も熱を測り、夜通し体調を確認することもあったと言います。
毎日が不安で、心身ともに疲れてしまうことも多々あったそうです。
そういった状況で、「このまま復帰して大丈夫なのか？」という疑問が頭をよぎるようになったそうです。
「ずるい」と言われることへの恐れ
育休後に職場復帰せずに退職を決めると、周囲から「ずるい」と思われるんじゃないかという不安があったと言っていました。
実際に、ある同僚からは「せっかく育休を取ったのに辞めるなんて、最初からそのつもりだったの？」と言われたことがあったそうです。
その言葉を聞いた時は、まるで自分の決断が間違っているかのように感じてしまい、胸が痛んだと話してくれました。
特に同僚たちの反応が怖かったそうです。
「結局、最初から辞めるつもりだったんでしょ？」と憶測で言われたり、陰で噂されることもあるかもしれない。正直、そんなことを考えると退職を選ぶのが怖かったと言っています。
でも、自分の心に正直になりたいと思ったそうです。友人自身が一番大事にしたいのは家族、特に子どもとの時間です。
その大切な時間を後悔したくないという思いから、最終的には退職を決断したとのことです。
実際、決断した時にはすごくスッキリした気持ちになったと言っていました。周囲の反応はもちろん気になりますが、自分の気持ちを優先することが彼女にとって大切だったそうです。
育休後に職場復帰を選ばない人への理解
友人が育休後に職場復帰をしないことを決めた背景には、家族のサポート体制や自分のキャリアについての考えが大きく影響していたと言っています。
もちろん、キャリアを続けていくことは大切ですし、それができるならば素晴らしいことです。
しかし、全ての人が同じように「復帰」という選択をするわけではないことも理解してもらいたいと強く感じたそうです。
友人の場合、夫が非常に協力的であったことが救いだったと言っています。
彼は友人が育児に集中できるようにサポートしてくれ、一度夜中に子どもが熱を出した時、彼が一晩中看病してくれたことがあったそうです。
その時に感じた「一緒に頑張っている」という心強さが、彼女の選択を後押ししてくれたと言っていました。
また、友人が体力的に限界を感じている時には、家事も率先して手伝ってくれ、夕食の準備をしてくれたり、掃除をしてくれたりしたそうです。
さらに、週末には友人が少し休めるように子どもを連れて公園に行ってくれたり、夜泣きの際も積極的に対応してくれたりと、育児の負担を分かち合ってくれたと言います。
「どんな選択をしてもあなたが幸せであることが一番だよ」と夫が言ってくれたことにどれほど救われたか分からないと話していました。
育児と仕事の両立が難しいと感じている親たちにとって、一番必要なのはやはり周囲からの理解とサポートだと友人は感じています。
職場での憶測と噂をどう乗り越えるか
職場での人間関係は良好だったため、育休から戻らないと決めた際には「迷惑をかけたくない」という気持ちが強かったと友人は言っていました。
どうしても周りの人に申し訳ない気持ちがあったので、上司や同僚に自分の気持ちを率直に話すことにしたそうです。
幸い、友人の上司はとても理解のある方で、「それなら仕方ないね。自分の人生だから、自分で決めなさい」と背中を押してくれたそうです。
そのおかげで、「ずるい」とか「辞めるつもりだったんでしょ」と言われる恐れが減り、気持ちが少し軽くなった気がしたと言っています。
育児休業制度の理解とその意義
育児休業制度の目的は、育児と仕事の両立を支援することです。
育休はただの長期休暇ではなく、子どもと親が絆を深めるための重要な時間です。
しかし、まだまだ育休後に職場復帰しないことに対する理解が進んでいないのが現実です。育休を取得した後に退職することがまるで制度の「悪用」のように捉えられることがありますが、それは誤解だと思います。
友人も実際に「せっかく育休を取ったのに辞めるなんて」といった心無い言葉を聞いたことがあったそうです。
しかし、この制度は子どもと親のために設けられたものであり、利用者が最適な決断をすることが本来の意義です。
育児休業は各家庭の事情に合わせて使うべきものであり、その選択を非難されるべきではありません。
友人にとって育児休業は、初めての子育てに向き合うための時間でした。
育児は24時間体制で、毎日が新しい発見とチャレンジの連続でした。この期間は、彼女にとって子どもの成長を間近で見守れる貴重な時間であり、自分自身も成長することができた時間だったと言っています。
育休後に退職を選ぶ理由と背景
友人が育休後に退職を決めたのは、自分自身の心身の健康と、子どものために最善の選択をしたいという思いからでした。
もちろん、職場復帰をしてキャリアを続けることも素晴らしいことですし、それを選ぶ人たちのことを心から尊敬しています。ただ、彼女にとっては、家庭での時間を大切にしたいという気持ちが何よりも強かったのです。
私の友人の中には、育休後に復帰してフルタイムで働く人もいれば、パートタイムで働くことを選んだ人もいます。
ある友人は「仕事に戻ったら自分の時間ができてホッとした」と話していて、それを聞いて少し羨ましく感じたこともありました。
彼女たちと話していて感じたのは、結局のところ、自分自身のライフスタイルや家族の状況に合わせた選択が一番だということです。
周囲がどう思うかではなく、自分と家族が幸せであることが何より大事だと感じました。
職場環境への理想的なサポート
育休後に職場復帰をするためには、職場からのサポートが不可欠です。
友人が働いていた職場では、復帰を支援するために時短勤務制度やフレックス制度、また子どもの急病時に対応するための有給休暇の取得推奨などの制度が整っていたそうです。
上司も復帰前に面談を設けてくれて、「困ったことがあればいつでも相談してほしい」と言ってくれたことが、とても心強かったと言っています。
それでも育児と仕事の両立は決して簡単ではありませんでした。
特に、子どもが病気になった時などは、突然休まざるを得ない状況が多く、職場に迷惑をかけてしまうことへの申し訳なさでいっぱいだったそうです。
例えば、テレワークやフレックスタイムの導入が進めば、育児中の親たちがもう少し働きやすくなるのではないでしょうか。
また、職場内での相談体制の充実や、上司や同僚の理解があれば、育休後に職場復帰する親たちの不安も軽減されるでしょう。
実際、友人の知り合いの企業では、復職後に週に数回の在宅勤務を取り入れたことで、育児中の社員の定着率が向上したという成功事例があるそうです。
また、ある企業では、育児中の社員同士が情報共有できるコミュニティを作り、悩みや不安を相談できる場を設けたことで、復帰後のサポートが充実し、社員の安心感が高まったという話を聞いたと言っています。
まとめ: 育休後の選択は人それぞれ
育休後に職場復帰するか、それとも退職するかは、人それぞれの状況や価値観による大きな選択です。
友人自身は、最終的に退職を選びましたが、それは彼女の家庭やライフスタイルに最も合った選択でした。
この選択に至るまでには多くの葛藤があったと言っていますが、今では後悔していないそうです。
育児休業制度を活用し、自分と家族にとって最善の選択をすることが大切です。
そして、職場や社会全体が育児と仕事の両立を支援し、親たちが安心して育休を取得できる環境を作っていくことが必要です。
友人の経験が、同じように悩んでいる方々の参考になれば幸いです。
